リフォーム業者を選ぶときの基本的な考え方
リフォーム業者を選ぶときに注意したいポイントがあります。
このサイトではリフォーム業者の選び方5つのポイントを解説していますが、5つのポイントの前にもっと基本的なことをお話ししなければなりません。
それはリフォーム工事には新築工事とは違い、リフォームに特有な面があることです。
リフォーム工事は新築工事より難しい
内装の張替や畳の表替えなど簡単な修繕工事は別として、解体工事を伴う木工事が多くなるリフォーム工事は、新築工事に比較すると難しいものです。
- 作業手順が現場ごとに異なる
- 解体してみないと分からない部分がある
- 予定していたディティールでは納まらず変更することがある
リフォーム工事では、現場の進み具合によって予定が変更になることが多く、豊富な経験が無いとスムースに進められないものです。
新築なら任せられるけどリフォームならどうかな~と、若い大工さんが現場に来ると思ったりしたものです。
大工さん以外の職人さんでも、新築工事専門にやっている職人さんと、リフォーム経験の多い職人さんとでは、現場での応用力が違うことを感じることが多いものです。
住宅を造る業者に変わりはないと思われていますが、新築は出来るがリフォームはできないという職人さんは実際にいますし、リフォームは出来るけど新築は出来ないという職人さんは逆にいません。
安ければ安いほどよいという業者選びではなく、リフォーム工事の業者選びは新築よりも慎重に行う必要があります。
リフォーム業者を選ぶ時には次の5つのポイントを押さえることが重要
リフォーム業者には得意分野と苦手な分野がある
住宅リフォームを行っている会社は大きく5つの類型に分類できます。
- 大手ハウスメーカーのリフォーム部門
- リフォーム専業に特化した営業会社
- 地場の工務店・不動産会社
- 住宅設備・建材会社のリフォーム部門
- 他の業界から参入した新規企業
これらの類型別にリフォーム業者の特徴や代表的な会社をピックアップしてみます。
- ① 大手ハウスメーカーのリフォーム部門
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自社で建てた住宅の工法や使用部材・建材についての知識が豊富、他のハウスメーカーの住宅でも。工法ジャンルが同じであればほとんど対応が可能です。
型式認定住宅の場合で構造体に変更を加える場合は、新築時のハウスメーカー以外は対応はできません。代表的なリフォーム会社
- ② リフォーム専業に特化した営業会社
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工事施工は一括下請けでやっているケースが多く、実際に工事を行う下請け業者によって仕事の質が変わることもあり、施工管理の体制によって成功・失敗に分かれることも・・・
代表的なリフォーム会社
- ③ 地場の工務店・不動産会社
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様々なタイプの工務店があり千差万別、共通した特徴はありませんが、それぞれ個性のある会社です。企業数も多くリフォーム業者を探している時に、必ず候補の中に入ってくるタイプの会社です。
代表的なリフォーム会社
- ④ 住宅設備・建材会社のリフォーム部門
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リフォームブランドをフランチャイズ展開している企業グループです。実際の経営主体は地場の工務店や不動産会社のリフォーム部門であることが多く、③のタイプ同様、個性のある会社が多くあります。
代表的なリフォーム会社
- ⑤ 他の業界から参入した新規企業
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建築業界とは異なる業界の企業がリフォーム事業を展開しているタイプです。企業規模の大きい会社が多く、電力・ガスなどのエネルギー関連の企業などがあります。
代表的なリフォーム会社
ひと口に“リフォーム業者”と言っても、いろんな会社があります。
資本金数百万円という小さな会社から、数百億円という大きな会社もあります。創業以来数十年という歴史のある会社もあれば、出来たばかりの会社もあります。
住宅の工事に長く関わってきた業者もあれば、畑違いの業界からやってきた新参業者もいます。
業者への潜入観念を捨てて、本当に信頼できる業者かどうかを見極めることが大切です。
情報公開を積極的にやっている業者とやらない業者の違い
企業がホームページを開設することが当たり前になり、ほとんどの情報をインターネットで収集できるようになりました。おかげで私たちは短い時間でリフォーム業者を探し出し、それぞれの会社の特徴などを知ることが出来るようになりました。
ところが、こんな便利な時代になったのに、せっかく使えるツールを使わず、情報公開の少ない企業が現実にあります。
- ホームページはコーポレートサイトで、実際の仕事の内容がさっぱり分からない
- 抽象的な宣伝文句ばかりが並び、どんな特徴があるのか伝わってこない
- 社長やスタッフのプロフィールがまったく無く顔が見えない残念な会社
情報量が多いということは、アウトプットできるネタが豊富にあることの証明です。
それだけ年間の工事件数が多く、顧客の数も多いことが覗えます。
顧客数が多くなるとSNSなどでの情報も増え、良い評判なり悪い評判なり業者の実態を掴むこともできるようになります。
リフォーム業者選びの選択候補が決まったところで情報を集めてみて、あまりにも情報量の少ない会社は敬遠した方が賢明です。
リフォーム会社の規模や知名度よりも大切な担当者の能力
リフォーム会社の中には誰でも知っている全国規模の有名企業や、TVコマーシャルでよく見る企業などがありますが、リフォーム工事が満足できる状態で完成するかしないかは、担当者の能力が大きく左右します。
冒頭にも書いたように、リフォームは新築よりも難しいものです。マニュアル通りに進めれば出来上がり・・・というものではありません。
壁を剥がしてみたら予想していなかった状態になっていた・・・ということもしょっちゅうあります。そのたびに納まりを変更したり、使用する部材を変更したりと、応用力と早い判断が求められる場面がよくあります。
想定外のことが起きた時に間違いのない判断を下せるには、豊富な経験と深い洞察力が必要です。
また、リフォーム工事はお客さんが生活している中で進むことも多いものです。
新築のように、誰も生活していない中での工事とはまったく違います。工事が長い期間になるとお客さんのストレスも大きくなります。現場を取り仕切る担当者には、施主への気配りなども必要です。その辺のことが出来ない担当者では、お客さんが後悔する結果に終わってしまうこともあります。
会社の信頼性も大切ですが、担当者が信頼できるかどうかがもっと大切なことです。
見積りのための現場調査でリフォーム業者の力量が分かる
担当者の能力や人間性を見極めるのはコミュニケーションを通して行うのですが、リフォーム業者の決定前の段階でコミュニケーションできる機会は、見積を作成するまでの打ち合わせ期間です。
工事の内容によってはかなりの回数会って打ち合わせを行います。簡単な工事でも下見と見積書を受取る時の最低2回は担当者と会うことになります。
中でも見積の為に行う最初の現場調査の時は、担当者の能力を見極める最大のチャンスです。
- リフォームに対して希望していることをより具体的に伝える
- 疑問や不安に思っていることを遠慮しないで話す
- 世間話しなどを交えて担当者の人間性を把握してみる
見積を依頼するということは、単に値段を知るだけのことではなく、信頼して任せられるかどうかを決めるお見合いのようなものです。一生を決める大事な出会いの時だと思って臨んでください。
1社限定よりも複数社に見積もり依頼する大切さ
リフォーム工事の見積もり依頼は“公共工事の競争入札”とは違い、一番安い業者を見つけることが目的ではありません。
信頼して任せられるリフォーム業者を見つける為の大切な手続きです。
計画したリフォーム工事を間違いなく進め、満足した結果を与えてくれるのは、必ずしも“安い業者”ではありません。
有名な会社だから安心だということもありません。自分の希望を一番叶えてくれそうな業者を見つけることが、見積もりを依頼する目的です。
数ある業者から1社に最終的には絞って工事契約をするわけですが、最低でも3~4社ぐらいから見積もりをもらうのが、いい業者を見つけるコツです。
本命業者が初めから決まっている場合でも、その判断が間違っていないかどうかを確かめる意味でも、もう1社見積をとることをお勧めします。
見積もりを頼む業者が分からないという場合は、複数の会社から見積もりをもらう方法を参考にして下さい。